長いは袖の かなかいじゃ

 尺八、琴、三味線、太鼓のコンサートに行った。観客の大半はローカルで、お囃子のかけ声「いよーーっ」に異様に受けていた。演者は総勢9人。日本ならではの独特なリズムと間合いにそれぞれの拍で切り込んで行く様は真剣での果たし合いのようで、ときに聴いているこちらの身じろぎすらためらわれるような緊迫感があった。一点残念だったのは、演者のひとりが歌も担当したこと。あきらかにその部分だけ他の演奏とのレベル差があり、ついでのように本職以外のことをやるくらいなら誰も歌わないほうがましだと思った。もったいない…。そういう話にならなかったのかな?トップクラスの演者が揃っているんだろうに。こっちの人には歌声付きのほうが入りやすかろう、というのがあったのかもしれないが、その解決法がこれではここが日本じゃないと思って舐めたと思われても仕方がない気がする。